暗号の世界では取引所同士の覇権争いが激化しているが、Frictionless Capital共同創業者のLogan JastremskiがXに投稿した最近のツイートがコミュニティに波紋を広げた。「Backpackは攻勢に出ている。Krakenのperps出来高をひっくり返すのは始まりに過ぎない」と投稿し、Backpack Exchangeがperpetual futures(perps)市場で急速に台頭していることを強調した。perpsとは満期のないデリバティブ契約で、トレーダーは満期を気にせず価格に賭けられ、レバレッジで損益を拡大できる仕組みだ。
今回がBackpackの話題化は初めてではない。投稿の数時間前、JastremskiはBackpackが手数料発生のperps出来高でKrakenを上回ったスクリーンショットを共有しており、これはプロモーションで膨らませた数字を除いた実質的な取引活動を示す重要な指標だ。Solana Legendといった業界の著名な声も同調し、KrakenはIPO前のラウンドで200億ドルの評価を目指している一方、Backpackは取引ペア数がKrakenの391に対してわずか25でありながら存在感を示していると指摘した。
なぜBackpackの成長がミームトークンに重要なのか
BackpackはSolanaブロックチェーン上に構築されており、単なる取引所ではなくミームトークンのエコシステムと深く結びついている。Solanaの低手数料と高速処理は、Pump.funのようなプラットフォームでローンチされるミームコインにとって魅力的な環境となっている。Backpackのウォレットと取引所の連携は、Mad Lads NFTから新興のミームまでこうしたボラティリティの高い資産のシームレスな取引を可能にし、特にperpsでは迅速な約定がポジションの成功を左右するためトレーダーに有利だ。
最近のデータでは、Backpackが24時間perps出来高で10億ドルを超えたことが示されており、その魅力を物語っている。BinanceやKrakenのような従来の巨頭とは異なり、Backpackはネイティブな借入・貸出オプションなどユーザー中心の機能に注力しており、貸し出した資産を担保として扱える点は特に重要だ。盛り上がりの短命なトークンを複数ポジションで扱うことが多いミームトークン愛好家にとって、これは大きな利点となる。
大局観:競争は激化している
老舗の取引所であるKrakenは小口投資家向けのperps製品を最近ローンチし、300以上の契約を10xレバレッジで提供している。しかし、BackpackはFTXのEU部門を買収してヨーロッパでの規制下の足掛かりを得るなど勢いを増しており、引き下がる気配はない。この買収は営業キャッシュフローで賄われ、同社を地域で最も早期に完全に規制された暗号デリバティブ取引所の一つに位置付けるもので、EUの規制強化のタイミングとしては絶好だ。
ミームトークンのトレーダーにとって、この対立は流動性の改善と選択肢の増加を意味する。APACに重心を置くBackpackのユーザーベースと日本への今後の拡大は、市場に新たな資金を流入させ、次のミームコイン狂騒を引き起こす可能性がある。Jastremskiが言うように、これは「一歩一歩(brick by brick)」でより大きな何かに向けて築かれているのだ。
Backpackとミームトレーダーの今後は?
過去の事例が示すように、BackpackがKrakenを幾度も追い越していることは潮目の変化を示唆している。6月には新参でありながらKrakenを上回り、取引インセンティブのシーズンが到来すればさらに派手な動きが期待される。ミーム分野に踏み込むブロックチェーン実務者にとって、Backpackのアプリ(https://backpack.app)のようなツールは先手を取るための入口となるだろう。
Solanaのエコシステムに注目を続けてほしい。ミームトークンは宣伝(hype)に依存して成長する傾向があり、Backpackのような取引所がその炎に燃料を注いでいる。熟練トレーダーであれ好奇心旺盛な人であれ、この「攻勢」は暗号のワイルドな側面の取引形態を再定義する可能性がある。