暗号の世界では、規制の動きを把握しているかどうかが大きな差を生みます。最近、MartyParty(X:@martypartymusic)が投稿したアップデートがXRPコミュニティをざわつかせました。2025年10月10日、Canary Fundsは米国証券取引委員会(SEC)に対して、XRPの現物ETFに関するForm S-1の修正申請を提出しました。これは単なる書類作業ではなく、RippleネットワークのネイティブトークンであるXRPを、上場投資信託(ETF)を通じて一般投資家により近づける一歩です。ここでは簡単に要点を整理し、市場にとって何を意味するかを見ていきます。
修正申請での新点は何か?
この修正は正式には「Pre-Effective Amendment No. 2」で、以前の申請を踏まえつつCanary XRP ETFの詳細を明確化するものです。ETFは株式市場で売買できる資産のバスケットのようなもので、個人投資家が暗号資産を直接保有せずにXRPにアクセスできる手段を提供します。主な変更点は次のとおりです。
ティッカーシンボル: "XRPC" に更新。ETFが上場した場合に目にする短縮表記で、AppleのAAPLのようなものです。
取引所上場:Cboe BZX Exchange, Inc. と指定。これは確立されたプラットフォームでの取引が想定され、流動性とアクセス性の向上につながる可能性があります。
株式数:当初は10,000のシードシェア。これは提携会社によるスターター株のようなもので、1株あたり$25、合計$250,000がXRP購入に充てられます。
監査人の追加:Cohen & Company, Ltd. が独立監査人として参加。財務チェックを行い、適正性を担保します。
その他、信託の構成をデラウェア州の法定信託(Delaware statutory trust)として明確化するなどの事業面での更新や、公募価格、引受手数料、経費控除前の収益に変更がないことの強調があります。リスク要因自体はこの申請で変わっていませんが、申請書内ではXRPのボラティリティや規制上の課題などの継続的な懸念に詳しく触れています。
申請書ではまた、XRPを保管するカストディアンについても記載があります。暗号資産についてはGemini Trust CompanyとBitGo Trust Companyが、現金についてはU.S. Bankが担当します。これらは分別管理された口座で、主にコールドウォレット(オフライン保管)を利用し、ハッキングからの保護を図っています。信託は純資産の評価にCoinDesk XRP Price Indexを使用し、BinanceやBitfinexなど主要取引所のデータを参照しているとしています。
Canary XRP ETFの背景
Canary FundsはスポンサーであるCanary Capital Group LLCを通じ、このETFが経費を差し引いたXRPのスポット価格を追跡することを目指しています。信託は2024年9月に設立され、従来の規則下の投資会社ではないため柔軟性がある一方で、一部の分野では規制監督が薄くなる点もあります。これは、XRPが二次市場では証券に該当しないと判断された2025年8月のSECとRippleの和解(ただし機関向け販売は依然監視対象)など、進化する規制環境の中で行われています。その他、デジタル資産の分類に関する2025年のCLARITY Actなど最近の法改正にも言及があります。
初回の申請は2024年10月8日で、その後2025年8月22日の修正、そして今回の修正と続いています。各回で提案内容が洗練され、SECからのフィードバックに応じて調整が行われてきました。参考までに、XRPは2012年から存在し、XRP Ledgerを介した高速かつ低コストの国際送金で知られています。2025年10月8日時点で時価総額は約$173.57 billion、1日あたりの取引高は約$4.73 billionです。
暗号愛好家にとってなぜ重要か
承認されれば、このETFはビットコインやイーサリアムのETFが市場を押し上げたのと同様に、XRPへの機関マネーの流入を促す可能性があります。ミームトークンのファンや幅広いブロックチェーン実務者にとっては、Rippleの法的勝利のような規制上の前進が業界全体の信頼を高めるきっかけとなり得ます。XRPの流動性増加は価格の安定化に寄与し、間接的にボラティリティの高いミームコインにも恩恵を与える可能性があります。
ただし、楽観し過ぎないことも重要です。SECはこれまで暗号ETFの承認に慎重で、Rippleの係争が継続していることもあり対応に時間がかかる傾向があります。リスクは多岐にわたり、XRPの価格は非常に変動しやすく(年率で100%に達することもある)、カストディアンへのハッキングリスクや将来的な量子コンピューティングの脅威も考慮すべきです。さらに、この信託はstakingやairdropsには参加せず、純粋にXRPの保有にとどまると明記されています。
今後の見通し
MartyPartyのツイートは、SECのボットのようなツールが購読者に最速で情報を提供する方法を示しており、暗号の取引や投資をする人にとっての有益なプロのヒントです。より詳しく見たい方は、完全なSECの提出書類やXでのオリジナルスレッドをチェックしてください。暗号の世界が進化する中で、このような提出書類は伝統的金融とブロックチェーンをつなぐ重要な役割を果たします。続報に注目しつつ、これは投資アドバイスではないので、必ずご自身でリサーチを行ってください。