DeFi(分散型金融)の高速な世界では、プロトコルは常にユーザーの資金を引き寄せ、それをエコシステム内に留める方法を模索しています。Total Value Locked(TVL)は、どれだけの資本がプロトコルに実際に参加しているかを示す重要な指標です。最近、perpetual futuresやlooping strategiesを専門とするDeFiプラットフォーム、ContangoがX(旧Twitter)で注目すべきスレッドを投稿し、Compound FinanceがArbitrumからのインセンティブを活用してTVLを持続的に増やした分析を紹介しました。
@Contango_xyzによるその投稿は、Castle LabsがまとめたCompound FinanceのArbitrumにおけるLong-Term Incentive Pilot Program(LTIPP)参加に関する詳細なケーススタディを指しています。LTIPPとは、Arbitrumが自らのネイティブトークンであるARBをLayer 2上で構築するプロトコルに報酬として配布する取り組みです。目的は成長と活動の喚起です。
Compound Financeは、暗号界の古参レンディングプロトコルの一つとして、これらのARBインセンティブを活用し、ユーザーにUSDCやETHなどの資産をArbitrum上のV3マーケットに供給するよう促しました。単独ではなく、Contangoのようなパートナーが重要な役割を果たしました。Contangoはユーザーが資産を借りて供給する行為を繰り返す「looped」ポジションを作成できるようにし、インセンティブを得ながら利回りを増幅する仕組みです。この戦略により報酬の魅力が増し、より多くの資本を引き込むことに成功しました。
分析からの主要な結論は?「定着したTVLが達成された」ということです。定着したTVLとは、インセンティブが終了した後も引き付けられた資金の大部分が消え去らずに残り、プロトコルの長期的な健全性に寄与したことを意味します。
TVLへのインパクトを分解する
分析はCompound V3のArbitrum上における供給TVLを三つの期間に分けています。
プレインセンティブ期間:LTIPPが始まる前は、TVLは比較的低く、5,000万ドル未満で変動していました。このベースラインは追加報酬なしの有機的な成長を示しています。
インセンティブ期間:LTIPPが有効になるとTVLは急増しました。チャートでは約2.5億ドルをピークに劇的な上昇が見られます。この急増は、ターゲットを絞ったインセンティブが流動性を引き寄せる力を実証しています。
ポストインセンティブ期間:プログラム終了後は予想された下落がありましたが、TVLははるかに高い水準で安定しました—多くの場合1.5億ドルから2億ドルの間です。注目すべきは、その後の数ヶ月で上向きに推移した点で、これはコンテキストとしてチャートに重ねられたETH価格上昇の影響も考えられます。
この区分はDune Analyticsのクエリに基づくもので、オンチェーンデータの可視化に広く使われるツールです。ビジュアルは、インセンティブが即時の参加を増やしただけでなく、その後の定着にもつながったことを明確に示しています。
ミームトークンとブロックチェーンエコシステム全体への教訓
このケーススタディはCompoundのような確立されたレンディングプロトコルに焦点を当てていますが、得られる示唆はミームトークンプロジェクトにとっても非常に有益です。ミームトークンはしばしば、エアドロップやliquidity miningのようなコミュニティ駆動のインセンティブとバズに依存して注目を集めます。しかし、多くは最初の盛り上がりが過ぎると定着に苦しみます。
Compoundの成功は、インセンティブをContango経由の高利回りルーピングのような実用的なユースケースと組み合わせることで持続的なエンゲージメントを生めることを示しています。ミームトークンにとっては、stakingで利回りを提供したり、トークンに紐づくperpetual tradingポジションのような実用性をDeFiツールと統合することが、短期のファーマーを長期保有者に変える手段になり得ます。そうすることで、より強靭なコミュニティを築くことができます。
さらに、ポストインセンティブの挙動を測ることが不可欠です。Dune Analyticsのようなツールを使えば、TVLの定着率、ユーザー活動、ウォレットコホートなどの指標を誰でも追跡でき、インセンティブが本当に「定着」しているかを評価できます。
なぜ今これが重要なのか
ブロックチェーン技術が進化する中で、インセンティブ設計を理解することは実務者にとって極めて重要です。ArbitrumのLTIPPのようなプログラムは、無駄な支出を避けつつ成長を立ち上げるためのベンチマークを示しています。ミームトークン領域の開発者や投資家にとって、同様の戦略を採用することが一過性のプロジェクトと持続可能なプロジェクトの差を生む可能性があります。
詳細が気になる場合は、元のツイートをこちらでご覧ください: here。オンチェーンデータの深掘りについては、類似のクエリを探索できるDune Analyticsもチェックしてください。
Meme Insiderでは、DeFiの仕組みがミームトークンをどのように強化できるか、そしてブロックチェーンの最新革新についての分かりやすい解説を今後もお届けします。