急速に変化するブロックチェーンの世界では、どのチェーンに開発者が集まるかがエコシステムの成否を左右します。そんな中、ベンチャーキャピタル大手Andreessen Horowitz(a16z)が公開したグラフが大きな議論を巻き起こしました。EthereumのLayer 2ソリューションであるBaseの立役者、Jesse Pollakは投稿で「創業者が選ぶチェーンのトップ2はEthereumとBaseだ」と強調しました。しかし、特にSolana支持者の一部はその手法に納得していません。このやり取りはミームトークンのファンにとって重要です。というのも、ビルダーの動きが次のバイラルプロジェクトの発生場所に直接影響を与えるからです。
事の発端となったa16zのチャート
問題のチャートはa16zのState of Crypto 2025 reportに掲載された「Top Blockchains by Builder Interest」です。これによるとEthereumが約20%で首位、続いてBaseが約15%、Solanaが約14%で3位となっています。データは2025年9月30日時点で、創業者がa16zの投資チームに対して「何に取り組んでいるか」「何に興味があるか」と答えた内容に基づきます。
Pollakの投稿は誇らしげに「EthereumとBaseが創業者が選ぶ#1と#2のチェーンだ」と述べています。Ethereumエコシステムにとっては勝利であり、BaseのようなLayer 2はトランザクションを安く、速くするため、DeFiからミームトークンまで幅広く重要です。
Solana支持者からの反論
ここで登場するのが、Solanaエコシステムの大型ハッカソンやアクセラレータを運営するColosseumの共同創業者で、かつ元SolanaチームのメンバーであるMatty Tayです。彼は自身の反論で、開発者が投資家に「言っていること」に依存するのは最良の指標ではないと主張します。代わりに、ハッカソンの応募数、GitHubの指標、エコシステムのプロダクト収益、最近のスタートアップ資金調達などのハードデータを見るべきだと提案しています。
「実際に重要なものを測ると、現実は違って見えることが多い」とTayは皮肉めいた言葉を投げかけます。彼の投稿への返信にも同様の声が上がり、あるユーザーはColosseumに「信頼できるレポートを出してほしい」と要求し、別のユーザーはa16zの分析を「感覚に基づいている」と却下しました。これは典型的なエコシステム間のライバル関係で、Solanaはその高速性と低コストが称賛され、ミームトークンの温床になっていることが多いのです。
代替指標を探る:Solanaが強みを発揮する領域
Tayの指摘は重要で、どの指標を使うかによって見える景色が大きく変わります。ここでは2025年の実データを使って分解してみます。
ハッカソンの応募数
ハッカソンは、ミームトークンのような遊び心のある実験プロジェクトが生まれる温床です。Solanaはこの分野で圧倒的な存在感を示しています。2025年6月のSolana Breakout Hackathonでは1,412件の応募が世界70か国以上から集まり、Solana史上最大のハッカソンとなりました。以前のSolana AI Hackathonには400を超えるプロジェクトが集まり、10月のInternet of Agents Hackathonでは3,000人の開発者がほぼ400のチームを結成しました。
EthereumはDevconのようなイベントを開催していますが、2025年の具体的な応募数は公開レポートから把握しにくい面があります。それでも、これらのSolanaイベントは大規模な草の根的関心を示しており、しばしばミームトークンのローンチにつながっています。
開発者の増加とGitHubアクティビティ
Electric Capital Developer Reportによれば、Ethereumは2025年1月から9月の間に16,000人超の新規開発者を獲得しトップに立ちました。Solanaも負けておらず、約11,500人の新規開発者が加わり、前年比で83%という急成長を記録しています。アクティブ開発者数の合計は、Ethereumが約31,869人、Solanaが約17,708人と報告されています(BitgetやCoinCentralなどの情報を参照)。
GitHub上では、Ethereumが278のコアリポジトリで15,745件のコミットと高い活動を示しています。Solanaのコミット数も競争力があり、Chainspectのようなプラットフォームは総開発者数でSolanaを63,000人とランク付けすることもあります。手法が異なるため数値に差が出ますが、これがTayの「より良い指標を求める」主張を裏付けています。
エコシステムの収益と資金調達
収益は実際の利用状況を語ります。Solanaは2025年に約$5 billionの年間手数料収入を生み、月平均では約$425 millionに達しました。これは初期のEthereumよりも30倍速く成長したとされます(Yahoo Finance参照)。a16zのレポートでも、過去1年間のネイティブアプリ収益がSolanaで$3 billionに上ると指摘されています。
BaseはEthereumのL2としてEthereum全体の活動に寄与しており、最近では活動が22.5%増加したと報告されています。2025年のスタートアップ資金調達は業界全体で数十億ドルに上りますが、チェーン別の詳細な内訳は限られています。とはいえ、SolanaのエコシステムではDePINやNFTに大きな投資が入り、それがミームトレンドと重なることも多いです。
これがミームトークンに意味すること
ミームトークン関係者にとって、この論争は単なる学問的討論ではありません。Solanaの低手数料(多くが1セント未満)と高スループットは、毎日数千のミームがドロップされるようなpump.funスタイルのローンチに最適で、実際に多くのプロジェクトがSolana上で生まれています。ハッカソンの盛況は、実験的なトークンがSolanaのイベントから次々と出てくることを意味します。
一方で、a16zが示すように、創業者が実際にEthereumやBaseをより重視しているなら、流れが変わる可能性もあります。Baseの安価なブロックスペースは既にNFTやミームの活動を後押ししており、クリエイターをSolanaから引き寄せる要因となり得ます。しかし、Solanaの開発者急増と収益急伸を考えれば、ミーム的でバイラルな側面を牽引し続けるポジションにいることは明らかです。
結局のところ、Tayが指摘するように「現実」は何を測るかによって変わります。ミームトークンのビルダーやトレーダーにとって、これらの指標を注視することは次に熱くなるチェーンを見つける上で役立ちます。あなたがSolana派でもEthereum派でも、競争が激化していることはイノベーションにとって良いニュースです。