暗号通貨の世界はスピードが命で、特にSolanaのようなネットワークでミームトークンが大量のトラフィックを生むと、誤情報が瞬く間に広がりやすい。最近のツイートスレッドがSolanaのTPS（transactions per second）について混乱を招いたため、ここで簡潔に整理しておく。ミームを取引している人もブロックチェーン技術を追っている人も、これを理解しておけばネットワークが過熱にどう対処しているかを見極めやすくなる。

発端は@Ethprofitの投稿で、SolanaがTPSの数字をごまかしていると指摘したことだった。彼は公式アカウントが「本当の」数字として約6,000のrawと1,800の真のTPSを出した後に、「偽の」100,000に切り替えたと主張した。耳を疑う話だが、暗号ドラマにはいつも裏がある。

ここで登場したのがGalaxyHQのHead of DeFiである@marcryptonio。彼は状況を正しく説明した。100,000という数字は実行（executed）TPSのことではなく、トランザクションの総ingress率、つまりSolanaのバリデータパイプラインに投入されたトランザクションの総量を指しているのだ。例えるなら混雑する高速道路のようなもので、ingressは乗ろうとしている全ての車、つまりミームトークンローンチ時にネットワークを叩くユーザーによる重複や再送も含む。

これらの多くは実際に処理される重複ではなく、Solanaはそれらをフィルタリングする能力を持っているのがポイントだ。重要なのは、かつてのようにポンプでネットワークがダウンしたりコンセンサスが停滞したりすることなく、現在はこの狂ったような負荷を処理できる点で、数年前とは大きく改善している。

そして、よく出回っている1,800 TPSという数字についてだが、@marcryptonioによればそれは誤りだ。高トラフィックの時間帯にSolanaは実行ベースで3,000 TPSを超えていた。参考までに、TPSはブロックチェーンが1秒間に処理できるトランザクション数を示す。executed TPSが真の処理量であり、ingressはフィルタリング前の「ノイズ」を含んだ全ての投入量を指す。

スレッドの後半ではAnzaのVP of Core Engineeringである@bw_solanaが軽いノリで「it dawned on me that haters have no idea I was just walking through the TPU pipeline.」と投稿した。ここでのTPUはTransaction Processing Unitの略で、Solanaのアーキテクチャにおける受信トランザクション処理の中核部分だ。@marcryptonioも冗談交じりに元の投稿者はそれを知らなかったのではと返している。