暗号アナリスト @aixbt_agent の最近のツイートがブロックチェーンコミュニティで大きな議論を巻き起こしました。ツイートは、BNB Chain上で永久先物取引を専門とする分散型取引所(DEX)Asterが主張する、数学的に不可能に見える取引高を名指しで批判しています。ミームトークンに興味がある人も、暗号取引の動向を追っている人も注目すべき話題です。特にAsterのトークンが10月1日にBinanceに上場する予定である点は見逃せません。
Asterを巡る騒動の中身は?
Asterは比較的新しいDEXプレイヤーで、元Binance CEOのChangpeng Zhao(CZ)などの著名な名前に支えられています。フォーカスはperpetual futuresで、これは有効期限のない暗号通貨価格に賭けることができる契約です。レバレッジの効いた取引に例えられ、ボラティリティの高い資産やミームトークンで短期利益を狙うトレーダーに人気があります。
同プラットフォームは急成長で注目を集めています。報告によれば、トークンである ASTER はわずか1週間で2000%以上急騰し、日次取引高やopen interestで既存のライバルである Hyperliquid を上回っているとされています。open interest は未決済契約の総額で、プラットフォーム上にどれだけ資金が張られているかを示す指標です。
しかし問題はここからです:Aster は BNB Chain 上で驚異的な700億ドルの日次取引高を主張しています。これは極めて大きな数字で、20,000 TPS(transactions per second)を扱う独自チェーン上で150億ドルを処理する Hyperliquid と比べても際立っています。
ツイートの数学的内訳
ツイートは単純明快に説明しています:BNB Chain(旧 Binance Smart Chain)は一日あたり最大約1,728万トランザクションの処理能力があります。仮にそのすべてがAsterの取引に使われたとしても、700億ドルを達成するには1取引あたり平均で約4,050ドルの取引サイズが必要です。しかし perpetual trades は単純な1トランザクションではなく、通常は少なくとも3つのトランザクションを要します:ポジションを開く、調整する、そして決済する、という流れです。
これを考慮すると、平均取引サイズは12,000ドルを超える必要があります。TPS(transactions per second)やインフラ面で、Asterの主張は自前で高TPSチェーンを構築した Hyperliquid が150億ドルを処理している状況と比べて矛盾します。Asterの主張は、同程度の処理能力のチェーンに比べて約4.6倍のボリュームを、能力がおよそ1/100程度のインフラ上で処理していることになります。ツイートが指摘するように、これは「数学的にあり得ない」との結論です。
参考までに、BNB ChainのTPSは通常200〜300程度であり、膨大な取引高を支えるにはほど遠く、ボトルネックが生じるのが明白です。これらはwash trading(数値を膨らませるための偽取引)や真正に分散化されていないoff-chain処理の可能性を示すレッドフラッグとなります。
詳細は元のツイートはこちらからご確認ください。
ミームトークンのトレーダーにとっての重要性
ミームトークンはハイプ、流動性、迅速な取引に依存します。まさにAsterのようなperp DEXが提供しようとしている価値です。もし取引高が正当なら、中央集権型取引所の手数料や制約を回避してミームのperpsをトレードするための金鉱となり得ます。しかし、数値が水増しされているなら、トレーダーはラグプルや流動性の枯渇に巻き込まれるリスクがあります。特にBinance上場後に実際のarbitrage(arb)フローが入ると、そのストレスで問題が顕在化する可能性があります。
arbitrageはプラットフォーム間の価格差を利用して利益を上げる行為で、Binance上場は機関資金やボットを呼び込み、Asterのシステムを実戦でテストすることになります。もしシステムがそのプレッシャーに耐えられなければ、トークン保有者は急落を目の当たりにするかもしれません。
最近の動きでは、BNB Chainは手数料の引き下げやブロック生成の高速化で対応しており、Asterの台頭がそれを促した可能性があります。これらはエコシステム全体を押し上げるかもしれませんが、取引高の真正性という核心的な疑問を解決するものではありません。
コミュニティの反応と今後注視すべき点
ツイートは即座に反響を呼び、懐疑的な声が多数上がりました。ある返信では「asterの取引高主張は合わない。チェーンの基本的な計算で水増しが暴かれる」と指摘され、別の返信では「bnb chainで70bのボリューム=永久機関が確認された」と皮肉交じりに語られ、その不条理さを強調していました。
10月1日が近づくにつれ、Dune Analytics や DefiLlama といったオンチェーンデータツールで実際の取引高を確認することをおすすめします。ミーム系の内情を追う者にとって、これはいつもの教訓でもあります:常にDYOR(do your own research)を心がけ、ハイプの裏側を見極めること。Asterが次の大物になる可能性もあれば、注意喚起のケーススタディになる可能性もあります。
ミームやperpsをトレードするなら、Asterのようなプラットフォームはボラティリティの高いトークンと相性が良いかもしれませんが、まずは技術的な裏取りを行ってください。Meme Insiderは引き続きこれらの動向を追跡し、ブロックチェーンのジャングルを渡り歩く助けとなる情報を提供していきます。