GnosisDAOは、予測市場やブロックチェーンツールに注力する分散型自律組織(DAO)で、暗号業界で注目を集める重要な提案を提示しました。GIP-143として知られるこの提案は、DAOが専業のDeFiアセットマネージャーであるKarpatkeyとのトレジャリ運用サービス契約を終了すべきかどうかを問うものです。
DAOとは、トークン保有者の投票で意思決定が行われるブロックチェーン上のコミュニティ運営型組織のようなものです。GnosisDAOは数百万ドル規模のトレジャリを保有しており、2021年末以来、Karpatkeyにノンカストディアル(non-custodial)方式で運用を委ねてきました。つまりKarpatkeyは運用の提案を行うものの、資金を直接管理するわけではありません。
この提案はDAO向けの人気投票プラットフォームSnapshot上で公開されており、投票は2025年11月24日午前0時(UTC)まで行われます。GNO保有者は投票や提案の確認をこちらから行えます。
提案の内容は?
端的に言うと、GIP-143は可決されれば即時にKarpatkeyとの関係を断つことを求めており、2週間(14日間)の引き継ぎ期間を設けるというものです。以後、支払いは停止され、留保も行われません。いわばクリーンな決別です。
エグゼクティブサマリーは明確に述べています:承認時点でサービスを直ちに終了し、14日間の移行を行う。これは、トレジャリの運用実績、費用、取られたリスク、そしてGnosisDAOの目的に合致しているかどうかについて、数週間にわたるコミュニティ内の議論を受けての提案です。
なぜ今なのか? 背景
Karpatkeyは元々Gnosisの一部として始まり、2024年にKPKトークンを伴って独立したエンティティになりました。彼らはGnosisを含む複数のDAOのために20億ドル超の資産を運用してきており、yield farmingやBalancerのようなプロトコル上での流動性提供などの戦略を用いてきました。
しかし最近の出来事が疑念を呼んでいます。直近では2025年11月初旬、DeFiの流動性プロトコルであるBalancerがスマートコントラクトの脆弱性を突かれ、1.2億ドル超の被害を受ける大規模なハックが発生しました。直接の因果関係は確認されていませんが、情報筋はKarpatkeyの戦略を通じてGnosisDAOのトレジャリがエクスポージャーを持っていた可能性を示唆しており、損失やリスク増大につながった可能性があります。
各種の暗号メディアが指摘するように、コミュニティの不満は蓄積してきました。議論ではパフォーマンス指標、管理手数料の高さ、Karpatkeyのリスク許容度がDAOの保守的な目標に合致しているかどうかが懸念されています。例えば、Balancer事件以降に不満が高まったことを報じる記事もあり、今回の正式な見直しの動きにつながりました。
トレジャリ運用が注目を浴びるのは今回が初めてではありません。以前の提案であるGIP-20やGIP-58ではKarpatkeyの役割が確立されましたが、DeFiの状況変化や今回のような事件は、何事も固定的ではないことを改めて示しています。
暗号業界全体への影響
もしGIP-143が可決されれば、DAOがトレジャリを扱う方法に変化の兆しが出る可能性があります。多くのミームトークンプロジェクトや小規模DAOはGnosisのモデルを参考にしているため、長期的なマネージャーを解約する決定は、インハウスでの管理強化や複数プロバイダーへの分散化を促し、単一障害点のリスク軽減につながるかもしれません。
ミームトークン愛好家にとっても、これは大手でもDeFiの落とし穴に遭遇することがあるというリマインダーです。トレジャリ戦略はしばしばstakingやトークンの流動性提供(volatileなミームも含む)を通じたイールド獲得を伴います。ここでの動揺は、コミュニティが自らの保有資産のリスクにどう向き合うかに影響を及ぼす可能性があります。
一方で、提案が否決されればKarpatkeyへの信頼が再確認されることになります。同社は最近サービス拡大のために700万ドルを調達しており、ノンカストディアルアプローチやSafeのようなDAOの複雑な財務運用支援で評価されています。
今後の見通し
投票は進行中であり、その結果はGnosisDAOの運営に影響を与える可能性があります。ブロックチェーンに関わっている方やGNOを保有している方は注目しておくべき動きです。DAOガバナンスやトレジャリに関するヒントについては、今後もMeme Insiderでわかりやすく解説していきます。
投票を発表した元のツイートはフル情報が載っているのでこちらから確認してください。