暗号領域は常に進化しており、ひとつのブロックチェーンに固執するのはマラソンでカチューシャを付けて走るようなものだ――そんな趣旨のツイートがHelius LabsのCEO、Mertから投じられた。HeliusはSolanaエコシステムでRPCやAPI、取引インフラを提供する主要プレーヤーだ。境界を押し広げることを重視するMertは、仲間の「salami」マキシマリスト(Solanaマキシを茶化した表現)に向けて一言含蓄のある助言を残した。
彼のツイートはこうだ:「I do encourage my fellow maximalists of the salami to go on and henceforth explore other systems of doing money crime out there. ive been playing around HL ecosystem and even this Asterdex thing that barely works, and there are a bunch of product learnings to steal.」全文はこちらで確認できる: https://x.com/0xMert_/status/1969523735909544297
この発言を分解してみよう。「salami」はSolanaをもじった遊び心のある表記で、チェーンを盲信するコアなファンを軽くからかっている。「money crime」は、おそらくMertの皮肉めいた表現で、レバレッジ取引やイールドファーミングなど、時に荒っぽくリスクを伴う暗号取引やDeFi上の遊びを指している(直訳すれば「マネー・クライム」だが、文脈としては大胆なトレード手法のことだ)。
MertはHLエコシステム(Hyperliquidのこと)に触れており、Hyperliquidは独自の高性能ブロックチェーン「HyperEVM」上に構築された分散型perpetual futures取引所(perp DEX)だ。低い手数料、オンチェーンのオーダーブック、そしてガスの煩わしさが少ないスムーズな取引が評価されている。ミームトークンに関心があるなら、Hyperliquidのスポットやperpトレーディング機能が、より速く安価なローンチやクロスチェーンでのミーム対戦の発想源になり得ると想像してみてほしい。
一方、Asterdex(Aster DEX)は、ユーザーが最大100倍のレバレッジで暗号だけでなく米国株の取引まで行える次世代のperp DEXとして注目を集めている。決済はすべて暗号で完結し、ブリッジは不要。non-custodial(自己管理)で資産のコントロールを保持できる点も特徴だ。最近ではCZ(Changpeng Zhao、元Binance CEO)ら著名人の支持もあり、トークンASTERはクジラの動きやDeFiの盛り上がりで1週間に1500%もの急騰を見せた。Mertが「barely works(ほとんど動かない)」と評したのは初期段階ゆえの粗さを指しており、そこにこそ価値がある――粗い部分を見つけて自分のプロジェクトで磨き上げればいい、という視点だ。
では、なぜこれがミームトークン愛好者にとって重要なのか?ミームコインはコミュニティ性、バイラリティ、そして革新性で成長する。HyperliquidやAsterのようなエコシステムを探索することで、Solanaの開発者は高度なオーダーブック取引、マルチアセットのマージン、あるいは株×暗号のハイブリッドなどのアイデアを「盗んで」自分たちのトークンに応用できる。たとえばSolanaベースのミームプロジェクトが、Hyperliquidのzero-gasモデルを取り入れて摩擦の少ないエアドロップを実現したり、Asterのレバレッジ機能を使ったゲーミフィケーション的な取引イベントを組んだりする未来は十分に想像できる。要は、フェンス越しのクロスポリネーション(要素の交配)でミーム競争をリードするということだ。
Mertのツイートへのリプライも同様の空気を反映している。あるユーザーは冗談めかして「mert hates solana(確定)」と書き込み、別のユーザーは具体的にどの製品を見ればいいのかを尋ねていた。暗号コミュニティがこうしたオープンマインドな探求を求めているのは明らかだ。
Meme Insiderでは、読者がブロックチェーンで一段上に行けるよう、最新の洞察を提供することを重視している。あなたがSolana一択の支持者であろうとマルチチェーンの放浪者であろうと、Mertの助言はひとつのリマインダーだ:最良のイノベーションは垣根を覗き込むことで生まれる。もしかすると次の大きなミームトークンのアイデアは、HyperliquidやAster DEXのどこかの機能を「盗む」ことから始まるかもしれない。
探索を続けよう。これらのエコシステムがミームトークンの未来をどう形作るか、今後も分かりやすく解説していく予定だ。