ソファでひとりでお気に入りのテレビシリーズを一気見するのではなく、毎週火曜の夜に近所の映画館へ次のエピソードを観に行く世界を想像してみてください。面白そうですよね?まさにXユーザーの @lisatomic5 が提案した投稿がバイラルになり、37,000件以上の「いいね」を集め、エンタメの未来について活発な議論を巻き起こしています。
アイデアはシンプルでありながら秀逸です。映画館が毎週決まった時間に「ザ・ソプラノズ」などのテレビエピソードを定期上映する、というもの。チケットを買ってポップコーンを手に、同じ作品のファンと一緒に座る。やがて毎週同じ顔ぶれが集まるようになり、見知らぬ人同士が番組への愛でつながるミニコミュニティに変わっていく。@lisatomic5 の言葉を借りれば、「聞いて、映画館でテレビ番組を流すべきなんだ。例えば『毎週火曜の午後8時』に次のソプラノズのエピソードを観に行く。そうしたら毎週同じ人たちと会って、みんなで同じ番組を観るってわけだよ」。
この発想は、かつて「アポイントメント・テレビ(appointment television)」の黄金期にあったような状況を思い起こさせます。当時は「MASH」などが同時に膨大な視聴者を集め、翌日の職場での雑談=いわゆるウォータークーラーモーメントを生んでいました。「MASH」の最終回に1億2500万人以上が視聴したことを覚えていますか? 現在のNetflixやDisney+といった配信プラットフォームが支配する世界では、視聴は孤独でオンデマンドになりがちです。しかし、家庭での視聴に対抗する形で映画館がこうした共同体験を提供すれば、大スクリーンの会場に新たな命を吹き込む可能性があります。
この投稿は多くの反応を呼び、ユーザーたちは個人的な体験やアイデアの改良案を共有しました。たとえば @niftynei はブルックリンのバーで毎週「Game of Thrones」を観ていた思い出を語ります。「ブルックリンのバーで毎週Game of Thronesを観てて最高だった。たぶんHBOに止められたと思うけど」。こうした話は、みんなで観ることが単なるエピソードをイベントに変え、歓声や驚き、終了後の雑談まで含めた体験になることを示しています。
もっとカジュアルな雰囲気を求めて、映画館以外の会場を提案する声もありました。@taraliyah はバーやカフェを推奨しています:「これは実はいいアイデアだけど、映画館じゃなくてバーかカフェでやるべき。そうすれば毎回視聴にお金を払わなくて済むし、会場は飲食で収益を得られる」。一方で @CAmbroseDE は人間関係の構築に期待を寄せます:「いいと思う。平日の外出する理由にもなるし、シーズンパスみたいなのを買って何人かと出会って、その後みんなで飲みに行くかもしれない。そうやってコミュニティができる🥰」。
懐疑的だった人たちも考えを改める様子が見られます。@midnitelunch は当初は馬鹿げていると思ったものの、次のように続けています:「最初は読んでバカなアイデアだと思った…でも映画館が切実に必要としている特効薬かもしれないと気づいた。地元の映画館で友達と一緒にまったりソプラノズの夜を過ごすのは最高だろう」。
もちろん課題も指摘されています。@jasminekazooie はスタジオ側の障害を指摘:「テレビ番組の成功は視聴回数で測られるから、部屋に何人いても1画面分の視聴しかカウントされない。スタジオはこれを嫌うだろう」と。そして @EthanAllenMathr はディズニーが『The Mandalorian』のような作品で先導すればいいと提案し、昔の連続映画(シリアル)を大スクリーンに再現する可能性を示唆しました。
特定のシリーズのファンからは熱狂的な反応もありました。たとえば @austinmcraig は『Severance』の新エピソードなら100%参加すると盛り上げます:「Severanceの新エピソードなら絶対行く。ショーのトロープが多いからテーマパーティーにしやすいしね」。
「第三の場」、つまり家庭でも職場でもない社交の場が減少しているこの時代に、このアイデアは現実世界でのつながりを育む可能性があります。ただテレビを観るだけでなく、文化現象を生んだ共同体験の魔法を再現することが狙いです。これが広まるかどうかはまだ分かりませんが、昔ながらの儀式と現代のエンタメを融合させる新鮮な提案であることは間違いありません。あなたはどう思いますか――毎週映画館でエピソードを観に行きますか?