急速に進化する暗号資産の世界で、主流化への最大のハードルの一つは大手機関をどう取り込むかです。銀行、ヘッジファンド、資産運用会社といった数十億単位の資金を扱うプレイヤーは慎重であるのは当然です。カストディリスク、相手方リスク、取引プラットフォーム上での遊休担保といった問題が常に懸念として挙がります。
OpenEden の創業者兼CEO、Jeremy Ng は最近 X(旧Twitter)で関連する考察を共有しました。彼は、オフエクスチェンジ担保(OEC)が、暗号資産に伝統的金融(TradFi)のような安全網を取り入れるうえでのゲームチェンジャーになり得ると主張しています。
オフエクスチェンジ担保とは?
本質的に、OEC は資産を取引プラットフォーム上に直接置くのではなく、規制されたカストディアンに安全に保管させます。この仕組みにより、プラットフォームの破綻、ハッキング、詐欺といったリスクが排除されます。すべてを取引所に移す代わりに、プラットフォームは担保が存在し取引に十分であることの検証だけを受け取る形になります。
これは、トライパーティ・リポ(tri-party repos)や中央清算(central clearing)といった TradFi の仕組みに似ています。中立的な第三者が担保を取引所から切り離して管理することで信頼が生まれ、機関は過去の取引所破綻の悪夢なしに暗号資産市場に足を踏み入れやすくなります。
利回り付き資産で資本効率を高める
しかし OEC が意味するのは安全性だけではありません。資本をより効率的に働かせることも重要です。従来の仕組みでは担保は放置され、利息を生まないまま寝かされることが多く、効率性を重視する機関には受け入れがたい状況です。
そこで、OpenEden の cUSDO のような利回り付き担保が登場します。この資産は、担保としての役割を果たしつつ、基礎となる米国債からの収益を生み出します。機関は利回りを犠牲にすることなく Binance といった主要プラットフォームで取引できます。これは Binance の Banking Triparty プラットフォームや Ceffu MirrorRSV と統合されており、単なる理論ではなく実運用されているソリューションです。
なぜこれが暗号資産の未来に重要なのか
暗号資産が大舞台に立つためには、TradFi と同等の厳格さを持つインフラが必要です。カストディと取引を分離することで、デジタル資産向けのプライムブローカレッジ(prime brokerage)モデルを構築していると言えます。これは近道を探す話ではなく、機関が自信を持って参加できる成熟した市場へ暗号資産を発展させるための進化です。
Jeremy のスレッドは、cUSDO が大手取引所で取引できる一方で、資産は分別管理されたウォレットに残り続け収益を生むといった実例を示しています。これは信頼のギャップを埋め、大規模な資本フローを呼び込む一歩です。
ブロックチェーンや DeFi に携わるなら、OEC のような動向に注目しておくことは大きな優位になります。こうしたイノベーションが、このダイナミックな分野で実務者を前に進めてくれます。
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