変化の激しい仮想通貨の世界では、ステーブルコインはミームトークンのようなボラティリティの高い資産の中で安定の役割を果たす。データ分析プラットフォームToken Terminalの最近の投稿は、顕著な傾向を示している。米ドル(USD)がステーブルコイン分野を支配しており、総供給量でトップ20に入るユーロ(EUR)ペッグのステーブルコインは一つもないというものだ。
そのツイート(2025年8月23日投稿)には、2018年から2025年までのステーブルコイン供給の増加を追ったカラフルな積み上げチャートが掲載されている。総供給は3,000億ドルを超えるまで急増しており、主にTron、Ethereum、Solanaなど様々なブロックチェーン上に展開されたUSD建てトークンがその原動力になっている。
チャートの内訳
一見すると、チャートは異なるステーブルコインとそれらのブロックチェーン上での展開を表す色とりどりの帯になっている。下の淡い緑の帯はTron上のUSDTで、これが最大の割合まで膨れ上がっている。続いてEthereum上のUSDTとUSDCが青や紫の色で並んでいる。USDe(Ethereum)やSolana上のUSDCのような新顔も順位を上げている。
ステーブルコインは通常USDのような法定通貨に連動して価値を安定させるよう設計された暗号資産だ。これにより、ミームコインに手を出すトレーダーを含め、従来の銀行に戻ることなく市場の変動時に避難先として利用できるため重要である。
Token Terminalのデータから読み取れる主要な結論はこうだ:通貨のような実世界資産をブロックチェーン上でトークン化する際に選ばれるのはUSDだということ。一方で、トップ20にはXAUT(金連動)やPayPal由来のPYUSDのようなあまり知られていないものも含まれているが、EURペッグのステーブルコインは一つも入っていない。
なぜUSDが先導しEURが遅れるのか
この優位性は、世界の準備通貨としてのUSDの地位を考えれば驚くべきことではない。USDは国際貿易で広く使われており、TetherのUSDTやCircleのUSDCのようなUSDステーブルコインは暗号空間での越境取引において好まれる選択肢となっている。
ミームトークン愛好家にとっては、Solana上のようなDEXsでのほとんどの取引ペアがUSD系ステーブルコインを相手にしていることを意味する。Dogecoinに影響を受けたコインが人気のSolana上でも、RaydiumやJupiterといったプラットフォームは流動性確保のためにUSDCやUSDTに大きく依存している。
一方でEUR系ステーブルコインは障壁に直面している。EU内の規制の違いや、暗号の主要ハブでの採用率の低さ、米国中心の投資家からの需要の薄さがその不在を説明している可能性がある。今後のMiCA規制などが状況を変えるかもしれないが、現時点ではUSDが王座を保っている。
ミームトークントレーダーへの示唆
ミームコインを扱うなら、この傾向はUSD系ステーブルコインが重要なツールであることを強調している。これらは法定通貨への換金手数料をかけずにバイラルなトークンを購入するためのオンランプを提供する。さらに、ミーム市場はソーシャルメディアの盛り上がりに左右されやすいため、迅速にアクセスできる安定した流動性はトレードの成否を分けることがある。
Token Terminalの洞察(元ツイートで確認可能)は、伝統的な金融が暗号に与える影響を改めて示している。ブロックチェーンが進化する中で、EURやその他の法定通貨ペッグのステーブルコインが勢力を伸ばすかどうかを注視しておくと、ミーム戦略の多様化につながる可能性がある。
Meme Insiderでは、より広い暗号トレンドがミームトークンの世界に与える影響を引き続き分かりやすく解説していく。